COLUMN社長コラム

リアルタイム対戦型学習サービスでこどもの学習意欲を高める「学習プラットフォーム」を展開する
FLENS(フレンズ)株式会社の社長・大生隆洋のコラムです。
「タブレット × ネットワーク × 教育」で教育の新たな価値の創造に挑む、その想いを語っていきます。

代替報酬

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「代替報酬」という言葉を聞いたことはありますか。

私は、数年前にNHKの『白熱教室』という番組で、アメリカ・デューク大学の行動経済学者のダン・アリエリー教授のプレゼンテーションで初めて聞きました。

その中で、歯磨きの習慣化の話が印象的でした。
教授によると、歯磨きの習慣は人類の歴史の中で、良い行動の習慣化に成功した非常に稀な事例だそうです。
その成功というのは、「歯磨きをすれば虫歯を防ぎ、将来の健康を守るという考えが広まった」からではなく、「歯磨き粉にある爽快感」により成功したとのことです。
我々人間が歯磨きをするのは、歯磨きが将来の虫歯予防になることは知っているけれど、日々そのことを意識して、強い自制心をもって欠かさず磨いているからではなく、単に食後や睡眠前に歯磨き粉のミント味の爽快感を得たいために、毎日に磨いているからだということです。

この「歯磨き粉の爽快感」が「代替報酬」です。

行動経済学的には、このような「代替報酬」をどのように設計するかが、遠い将来の目標達成に繋がる良い行動を人々に促せるかのカギになります。

私が学習塾で子どもたちを教えていた駆け出しの頃、テスト採点で間違えた問題のみ×を付けていました。子どもたちには、「赤ペンでの記入が少なければ少ないほど、いい結果だ」と繰り返し伝えましたが、子どもたちは、しきりに○も付けてと懇願したのを覚えています。ほどなくして、私は○を付ける方針に切り替えました。当初私は、子どもたちに、「○をもらって嬉しいという表面的な達成感ではなく、将来の自分のなりたい未来に向けて努力しなさい」ということを求めていました。

しかし、子どもたちが勉強を頑張るのは、「学力を高めて将来の受験に向けて勉強していることを日々意識しているから」ではなく、単に「〇をもらえると嬉しい」というのが大きな動機だったかもしれない、つまり、「できた問題に○をあげる」ことは「代替報酬」として機能していたということです。

最近では、FacebookやTwitterなどのSNSで自分の勉強の進捗やテストの結果を公開している高校生も多いそうです。他者から「いいね!」などの反応をもらうことでやる気を高めて、受験勉強を継続できるようにしています。これらも遠い将来の目標達成のため行動を日々促すように設計された「代替報酬」と言えます。

採点で○を付ける、他にもシールをあげる、表彰状をあげる、テスト結果順に座席を決めるなど、子どもたちを継続的に動機付ける様々な「代替報酬」が昔から教育現場には存在しています。

従来の紙などのアナログデバイスを用いた「代替報酬」の設計に加えて、デジタルデバイスを活用して、1段上の「代替報酬」を適切に設計することが、今後の学習塾の生き残りのカギになると思います。

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